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2014.08.16

ソール(滑走面)のリペア:少しだけ大切なおはなし

夏の間もTUNE-UP作業が続き、そうこうしている間に「リアル秋雨前線」の話が天気予報では聞こえてきた。おいおい、ちとお早いんじゃないの。東京雨だし。

さて、TUNE-UP作業でも大切なソールのリペアのお話。
最近、コストダウン(という名の手間省き)の影響でリペア材が面倒なことになっている。もちろん、ここ最近に限った話ではなく以前からも見受けられてはいたが、最近すごく増えたね。

ソールのキズにはリペアを施す。
キズにリペア材を埋めて、その後に埋めて出っ張った(余分な)材を削りだすのが流れ。その際、過去にリペアされた箇所も傷んでいれば、新たに補修となる。

 

ところがここで問題が・・・。

以前の補修跡、そこに使用されているリペア剤がひどい。要はホットボンドと同じような柔い、と・に・か・く・柔い(もろい)、単なる穴埋め材がしようされているケースが増えている。当店で使用してるのは、昔からあるウェルダーという機器を用いて1箇所1箇所地道に埋めてゆくもの。

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この方式だとリペア材の強度も強く、長く安定してリペア箇所を保ってくれる。だが先のホットボンド様のモノ。これだと柔いだけではなく、その再補修にウェルダーを用いるとその噴出す熱で全てドロドロと溶け出してしまうのです。ほんの小さな部分だけ埋め直そうにも、周囲の不必要な部分まで溶け出してしまうだけではなく、そのドロドロが邪魔をして、新たに使用するリペア剤が接着してくれない

・柔いのでスグに再補修が必要になる。
・そのくせ、再補修は容易ではない。

では、なぜそのような方式があるのか。
欧州(アルプスなど)では身一つで山岳リゾートに向かい、ウエアなどはそのリゾート地で購入。板は「メンテナンス」の問題や「最新のモデルに乗る楽しさ」もあってレンタルが主流。となれば当然、レンタルのユーザー数も圧倒的なので板のラインナップも、それこそ最新の最高のモノが揃う。いきおいチューンナップも貸し出す度にマシンでガシガシ削ります。一晩でエッジもソールも直されます。翌日にはアルプス特有の固いアイスバーンにも負けない板が手元に届きます。それらが料金に含まれているレンタルプランもあるし、毎日お好みで板自体を交換するのもアリだからです。おのずとリペアに求められるのは持久力や強度より簡便性。理にかなった文化が彼の地にはある。単純に良いか悪いかではなく、目的がわが国と違う、ということ。

対して日本。
板は基本自己所有。気に入った板(同時並行的に数本?)をメンテナンスしながら永く使う。なので、先のようなリペア方式を取り入れて、そのままコチラで使用しても正直よろしくないと思う。お店にTUNE-UPに出す際に、出来ればリペア材がどんなもの、どんな方法かを知れれば良いんだけどね。でも、なかなか難しい。うちではお預かりする際に、他で施されたリペアで?なものがある場合、お伝えするようにしています。場合によったらリペア料金も加算(せざるを得ない)。後から後から溶け出したんでは、もう、全入れ換えみたいになりますからね。

BC滑走ではキズが入るのが当然。
なのでリペアは大切。
今回はそんなリペアの話(グチではないよ)でした。

★8/20(水)~9/3(水)は夏季休業★